学問のすすめ 現代語訳

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

一万円札の肖像でおなじみの福沢先生の歴史的名著の現代語訳版。
オリジナル版は明治時代の出版当時としては、庶民にも読みやすい文体で書かれていたそうなので、現代人が読みやすいように訳してくれるのはありがたいと思う。
「学問のすすめ」が説く、目指すべき到達点は”自主自立”を成し遂げるということ。
これは開国してから日が浅く、世界をヨチヨチと渡り歩き始めた当時の日本の感覚による物だと思いますが、今の日本人にも求められる所なんじゃないかと思う。
“独立の気概がない人間は、国を思う気持ちも浅い”
ともおっしゃってますし。

独立とは他人に依存する心がないこと。
何物にも依存しない確固たる自身を確立する為に学問をし、各人に生じる義務を全うしてこその独立。
「学問のすすめ」なので、冒頭に勉学の奨励が来るのはわかるけど、そのすぐ次に義務の遵守を持ってくる所が凄いと思った。
神社の御神体を粗末にする等のエピソードから、唯物論者だと思ってたが、古いものを検討なしに批判し、新しい物を迎合する姿勢も批判していて、バランスを取っているのは流石だと思った。

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