【本との付き合い方】ぼくはこんな本を読んできた/立花 隆

作家の立花隆氏の読書論や勉強法など、とにかく本にまつわる講演やインタビューをまとめたエッセイ集。

ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論 (文春文庫)

著者について

日本有数の読書人らしい立花氏。
脳死の話題でNHKに出演していた覚えがあるので、科学分野の人なのかなぁと思ってたんだけど、そうではない様子。
文芸春秋編集部出身で、田中角栄のロッキード事件ルポで作家として名を上げたんだと。
その後、日本共産党研究や革マル派といった政治ネタから、人工衛星に脳にサル学といった科学分野まで幅広くテーマを持って執筆活動をなさっているそう。

独学術

「知りたい」という欲求に突き動かされて書き続けてきたという立花氏。
どうやってその広範な知識を得たのかというと、読書からなんだって。
読書と言っても、自分みたいな”読むこと自体が目的の読書”ではなく、大量の情報を一気にインストールする読書なんだそうで。

そのための独学術がまた独特。
1.大金をはたいて一気に本を仕入れる。
買うのは以下の通り
その分野の入門書、名著、軽い読み物、学問史、専門図鑑、年鑑
2.一気に読みきる
3.偏りを防ぐ
偏るといけないので、以下の類の本をよんでおく
哲学、論理学、文明論、科学史、人間学、人類学

ネットで調べると「これ一冊読んでおけば大丈夫!」っていう頼もしい記事が多いので、一冊ぐらいなら頑張って、やり切った気持ちになってしまうんだけど、それではダメなんだな。
今はネットで初心者向けの良いテキストが無料で手に入る事が多いらしいんだけど、それはあくまで入り口であって、ある程度モノにするにはちゃんとやらなきゃダメなんだなぁ。
この独学術に、以前紹介した「30歳からの成長戦略」のアウトプット勉強法を合わせると、なかなかいいんじゃないかと思った。

古典について

智の最先端は常に最新のレポートにあるということで、いわゆる古典を読むことには否定的なのが意外だった。
確かに何をもって古典と定義するか難しいとは思うけど、例えば夏目漱石みたいな日本語の規範となるテキストをちゃんと読んでおくのは大事じゃないの?って思うんですが。
思うんですが!そこは流石に智の総体をめざす作家さんだけあって、小中高校生の間に相当量古典文学を吸収している様子。
文章を書く下地がしっかりできている上ので「智の総体発言」なのだとわかった。
自分のようなヒヨッ子が話を鵜呑みにして、古典を軽んじてはダメだな。

私の読書日記

最後に週刊文春で連載されていた立花氏の読書レビューが載っていた。
150冊ぐらい。
自分はブログで読書レビューをやっているくせに人のレビューはあんまり読まないので、非常に参考になった。
割と簡潔なレビューで自分でもこれぐらいは書けるようにならなきゃな、と思わせてくれて、やる気がでてきた。
これからもがんばろう。

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