銀河鉄道の夜

言わずと知れた名作。
自分は小学生の時に一回読んだのですが、「半分の月がのぼる空」第二話の中で言及があったので再読。
”ほんとうのさいわい”とか”ほんとうの神様”と言った意味深な言葉が出てきて様々な解釈ができると思うんですが、自分は”鳥捕り”の存在が解釈不能。
一体何を象徴しているんだろう・・・。
この本には幼い兄妹が狐の幻灯会に招待される「雪渡り」と「雨ニモマケズ」を収録。
雪渡りは塾の国語の問題で読んだ覚えがある・・・。
これで280円なので良いですね。

這いよれ!ニャル子さん (7)

アニメ化決定おめでとうございます!
ニャルラトホテプ星人のニャル子は惑星保護機構のエージェントである。
宇宙レベルではまだまだ幼い地球と、我ら幼い人類と、八坂真尋を守るため、
地球に違法侵入した宇宙人と日夜戦いを繰り広げるのである!
・・・間違ってはいないはず!
今回は初の短編集。
前半は報告書の内容に困ったニャル子が文章を水増しするために今までの事を振り返る形を取っています。
毎度のごとくプロットが崩壊するのではいかと思うほど、平成ライダーネタや旬のオタクネタが散りばめられています。
驚いた事に過去の話には、対応する巻が出た当時のネタでパロっているみたいです。
万太先生流石です!
先にも述べましたが、アニメ化(フラッシュアニメではない)が決まったので、続けて8巻を読んで援護射撃したいです!

半分の月がのぼる空 (2)

   

ちょっとネタバレですが、ヒロインが死にそうです。
2話の時点ではピンピンしていますが、端々で死への憧憬に囚われている様子が見られます。
1話でデレたのは何だったのかと!
主人公の方もけっこうタイヘン。
入院患者のくせに色々と無茶な事して自爆したり、痛い目にあったりします。
でも何だか「若さってこういう事なのかなぁ」とも思う。
少年は散々痛い目にあって大人になっていくのだなぁ、と。
自分の周りにはあんまり痛めつけてくれる大人がいなかったなぁ、としみじみ。
こういうのって大人にならないとわからないんですよね。
でも分からないなりに大人になった自分もそれはそれなので、大事にしたいと思う。
自己弁護終わり。
ほのぼのとした裕一と理香のやり取りの背景に流れる何とも重い影
二人を取り巻く大人達
突っ走って空回りする想いと遠くを見つめる心のすれ違い
銀河鉄道の夜
切ないー。

ジョン・レノン対火星人

ポルノ小説家の作者の元に、ひたすら凄惨な死体の様子を書き綴った葉書が届く。
差出人の名は「すばらしい日本の戦争」。 
東京拘置所から出所した「すばらしい日本の戦争」の身元引受人になった筆者は彼の更正を試みるが・・・ 
エロだのグロだの断片がゴチャゴチャに混ぜ合わされて、ギリギリ小説としての態を保っている。 
怪しいコラージュ感が何とも言えない。 
この作品の読みどころはストーリーでもプロットでもない。 
”構成”という日本語でしか表現できない何かだと思う。 
ちょっと読み辛い文体なので、途中で投げ出しそうになりましたが、タイトルの”ジョン・レノン対火星人”の決着はどうなるのか、もしくはそもそも意味なんて無いのか、暗号が隠されているのか、気になって読み通しました。 
 まぁ、そこは読んでのお楽しみと言う事で・・・

Baby Princess (6)

天涯孤独となった主人公、陽太郎は剣道の試合で知り合った天使ヒカル(あまつか・ひかる)に連れられ、
0歳から19歳まで1歳違いの姉妹19人+ママの家族の一員として迎えられる・・・
ある意味存在自体がイロモノなシリーズの第6巻。
だがちょっと待ってほしい!
逆に”日常モノ”で、ここまで設定にリアリティーの無い作品って他にあるだろうか?
魔法も宇宙人も超能力も異世界も奇跡も事件もロボもタイムパラドックスも無く、
現実世界の最果てに待ち構える”異空間”を
ここまで鮮やかに描ききっている小説は他にあるだろうか!?
と。
”19人姉妹”というトンデモ設定を現実に繋ぎ止めているのは
何といっても作者、公野櫻子先生の入念な取材と描写力にあると思う。
天使家に引き取られる前の陽太郎の貧乏生活の描写に出てくる、
厚揚げの入ったカレーとか、煮詰めた砂糖水のカキ氷とか、
妙に生々しいし、
冒頭の、三女・春歌が縁日の夜に迫ってくる場面では
熱帯夜のムっとした空気の壁が目の前に迫ってくるような感覚に襲われたし。
ライトノベルらしく、砕けた表現が多いので見くびってしまうけれど、
公野櫻子先生の筆力はホンモノ。
勢いだけで書いてるわけじゃないってのは間違いないです!