週末の話なのですが、前に話したゴジラ(’54)観てきました。
60年前の映画ということで、表現様式もずいぶんと違っていて何だか新鮮だった。
ネタバレを含むので注意!
’54年というと「七人の侍」も同じ年。
山根博士役の志村喬さんは侍の棟梁に古生物学者にと大忙しだったわけだ。
感慨深い。
冒頭、見事な筆遣いで書かれたスタッフロールが下から上へ流れていくので驚いた。
それと、ゴジラの吐く放射能火炎が容赦なく人間に浴びせられるのも驚いた。
現代の様式に慣れているのでギョッとしてしまう描写が結構あった。
何より驚いたのが火災の表現。
最近の特撮に慣れていると、ビームが当たると爆発するとだろうと考えてしまうのだけど、
初代ゴジラでは燃えるんだな。
建物は爆発ではなく炎上し、ゴジラがその身をもって押しつぶす。
古い作品のはずなのにすごい新鮮。
いかに普段が、様式美に溢れたSFに溺れているかというのがわかった。
ラスト、ゴジラはオキシジェン・デストロイヤーで倒されるんだけど、
オキシジェン・デストロイヤーを開発した芹沢博士が、兵器転用を恐れて出し渋る。
その時、ちっさい白黒テレビからゴジラによって失われた命を慰撫し、平和を祈るため賛美歌が流れてくる。
大混乱の病院や親を亡くした子供の姿と重なって、しめやかに歌い上げられる合唱に何か心の深いところにガンと来るものがあった。
博士にもくる物があったみたいで、オキシジェン・デストロイヤーを使用する決心をする。
核兵器に対する怒りという高い精神性が評価されている本作だけど、
純粋な平和への祈りを表現し、ゴジラへの反抗のカギにしたのはやっぱりすごいと思う。
歴史的名作を劇場で観れて本当に良かった。
来月のハリウッドゴジラも楽しみだけど、その前にハードル上げてしまったかな?
でも期待!