ブログやってるならアウトプットすればいいんじゃないの?「読んだら忘れない読書術」レビュー

久々の読書レビューです。

読んだら忘れない読書術
読んだら忘れない読書術

何とも読書家の購買欲をそそるタイトルなので買いました。
本書のキモは、読書でインプットした内容をアウトプットすることで記憶を定着させるというメソッドです。
読書を通じて自身の成長を図るのに、記憶に残すというのが大前提であるとの事です。
多くインプット(多読)し、SNS等に多くアウトプット。
アウトプットにはFacebookやTwitterよりも、ブログや読書メーターが良いかなと思いました。
後で体型 体系的に振り返りができるので。
(※誤字修正)
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2015年7月の読書まとめ

読書記録として活用している読書メーター。
「○月読んだ本まとめ」というのを作成してくれる機能に気が付いたので使ってみる。

2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1394ページ
ナイス数:0ナイス彼岸過迄彼岸過迄感想
読了日:7月1日 著者:夏目漱石
夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)感想
読了日:7月8日 著者:ロバート・A.ハインライン
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)感想
読了日:7月14日 著者:森見登美彦
敬語 (講談社学術文庫)敬語 (講談社学術文庫)感想
読了日:7月23日 著者:菊地康人

読書メーター

「彼岸過迄」は7/1に読み終わったので、実質は6月の読書だったりする。
年内に「行人」を読み切って、名作「こころ」に行きたい。
しかし「行人」は長い。
今読んでるけど、だるい。

「夏への扉」は名作SFらしいと聞いて読んだ。
意外にガッツリとタイムパラドックスしてて読み応えがあった。
流石は名作SF。

「夜は短し歩けよ乙女」は実質「四畳半神話体系」の続編。
四畳半が気に入ったなら必読。

「敬語」は内容がしっかりし過ぎていて実用書としては不向き。
優れた本だとは思うけど自分にはハイレベルだった。
巻末の敬語の将来に関する考察だけでも読む価値あり。

「敬語」に苦戦して、あんまり読書はかどらなかった感じがする。
8月もがんばろう。

地獄変・邪宗門・好色・藪の中 他7編 感想

芥川龍之介の短編集。
岩波文庫。
BookOFFにて108円で購入。
いわゆる王朝物の短編がまとめられている。

「ございます口調」の語り部が話す体裁の作品が多く、独特の厳かさを感じる。
口伝という古い形体が王朝物の古めかしさをより引き立てている。
「ございます口調」は下手をするとギャグにも慇懃無礼にもなってしまうと思うのだけど、そこを世界観作りに使ってしまうあたり、流石は文豪と言った所かと思う。

平安時代は幽玄な雰囲気よりも、映画「羅生門」の「末法の世」みたいな雰囲気が好き。
美しい物も汚い物もゴチャゴチャと細かい描写を与える事ができるあたりは、人として文章レベルの違いが歴然として突き放されるように感じる。
自分も頑張ろう。

「杜子春」等小学生でも読める話から、「藪の中」の人狼ゲームめいた話、耽美?を感じる「地獄変」まで、バリエーションの広さも芥川龍之介の魅力かと思う。
本書は割と読解力が求められるけど、独特の雰囲気は一読の価値アリ。

 

大盗禅師

司馬遼太郎の幻想小説。
江戸初期に幕府転覆を企てた由比正雪
同時期に大陸で女真族の侵略に対抗した明の遺臣鄭成功
二人の活動を、剣豪浦安仙八の視点で描く。
謀反者達の物語。

由比正雪周辺で実在の人物が多数出てくるのだけど、ジャンルとしてはファンタジー。
妖術だか幻術だか、不思議なことが度々起きる。
司馬作品をよく読んでいる父親の曰く
「司馬遼太郎もこういう話書くんだなぁ」
だそうで。
異色作のよう。
実際、司馬遼太郎全集にも入っていないらしい。
ファンタジーという事を抜きにしても、
一つの歴史的出来事を焦点に描いているわけでないし、
ラストも唐突に終わって、尻切れトンボのような印象。
書くだけ書いて次の企画に行ってしまったのかな、と推測。

一応浦安仙八が物語を通じての主人公なのだけど主人公としては珍しいキャラクター。
仙八は兵法(戦闘)では無双だが、それ以外自主的に動かない。
由比正雪、鄭成功、そして怪僧大涛禅師の使い走りにされる。
自主性が無いわけじゃないけど、もっともらしい理屈を聞かされると過度に感心して言いなりに。
女にも弱い。ハニートラップにすぐひっかかる。
ちょろい。
ちょろいとは言ったけど、江戸,大阪,中国大陸を駆け回るスケールの広い活躍。
思い切りも良く、カッコイイ。

140901daitou
表紙。
黒地に南蛮風の舞?
江戸初期+中国南沿岸部といったイメージかな。

自分が読んだ司馬作品は歴史小説「燃えよ剣」、「坂の上の雲」とエッセイ「ロシアについて」。
まだまだだ読む量が足りていないので今後も司馬作品を読み進めたい。

フランクリン自伝

アメリカの実業家にして政治家、科学者であり、アメリカ独立宣言の起草にも関わったベンジャミン・フランクリンの自伝「フランクリン自伝」を読んだ。

この手の古典だと岩波文庫がスタンダードだと思うけど、自分は中央公論社の新書版で読んだ。
各章ごとに注釈が細かく載っているし、新書サイズで活字も現代風なので、古い版の岩波文庫よりは読みやすいと思う。

訳者の前文によると、フランクリンは「典型的なアメリカ人」と言われることがあるらしいんだけど、そりゃー嘘だ。
確かに、無一文から出発して大成功を収めたのはアメリカンドリームの典型だけど、フランクリン並の道徳を修めた人は稀でしょう。
実際自伝の後半によると、国政に進出したフランクリンの足を引っ張る不誠実な人の多いこと多いこと。
稀有な人物だからこそみんなの憧れに値する人物なんだな、と思う。

自分が履修した世界史の授業では合衆国前史は扱わなかったので、「本国イギリスの圧政に耐えかねた植民地議会が独立を宣言した」ぐらいしか知識が無かったんだけど、独立に至るまで、フランスと戦争したり植民地領主と対立したりと、知られざる歴史があったのがわかった。

本書のキモはフランクリンが青年期に作った「十三の徳目」。
自身の徳を完璧なレベルにしようとすべく考え抜かれた13の徳目。
一覧と解説はwikipedia参照
13の徳目を身につけるために、表を作って実施状況を記録するのも参考になる。
まさにライフハックの元祖と言えるんじゃないかと思う。
大いに参考にしたい。