30歳からの成長戦略

30歳からの成長戦略―「ほんとうの仕事術」を学ぼう (PHP文庫)

4月で30歳になるという、なかなかイイタイミングで読みました。
40歳になって集団のリーダーが務まるように、どういった成長戦略を描けばいいのか解説した一冊。
MBAだとかロジカルシンキング等、流行のビジネススキルに翻弄されて、本当に取り組むべき仕事を見逃しているあなたに!いいんじゃないでしょうか。

自分が参考になったなと思ったのが「アウトプット志向学習法」という取り組み方。
今までは、勉強=教科書をまとめたノートを作る事、と考えていました。
つまりいかにインプットするか、が勉強だと考えていたわけです。
がしかし、大体ノート作りで満足もしくは力尽きて、結局身につかないことがしばしば・・・。

それに対して「アウトプット志向学習法」はインプット部分を簡略化して、軽くインプットした知識を実際の現場で活用することで身につけるというやり方。
具体的に言うと、
1.勉強する分野における「権威ある教科書」を通読
2.成果物を作ったり、生活の中で活用してみる
これならノート作りで力尽きたりしないし、学んだ事を即時試すことが出来ます。

この正月は9連休ということで、ブログ運営に関連して、htmlとか勉強してみようかと考えています。

ビブリオバトル


ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書)

最近ネットやメディアでちょくちょく名前を聞くようになったビブリオバトル。
単なる本の紹介会だと聞いていたんですが、ちょっとだけルールを加えて、より効率良く、かつ飽きないように設計されているらしいです。
加えるルールというのが4点。公式サイトから引用させてもらうと、

【公式ルール】 

1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる. 

2. 順番に一人5分間で本を紹介する. 

3. それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う. 

4. 全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

だそうで。

5分間の発表で大事なのが「読んで自分はどう思ったか」を伝える事。
これは書評書く時に意識している所なんですが、同じ文章を読んでも人によって感じ方に違いがあるように、本を読むという行為が既に創作活動であるって事なんだそうです。

プロローグとエンディングにビブリオバトルの疑似体験として、出来損ないのラノベが書かれていてイライラするんですが、大事なのは実践。バトルだから実戦かもしれませんが、仲間を集めてやってみるというのが最初の目標なのでちょっと知り合いに声をかけてみようかと思います...(チラッ

統計学が最強の学問である


統計学が最強の学問である

最近何かと話題のビッグデータ産業。ビックウェーブに乗り遅れちゃダメだぜ!みたいなノリの人が飛びつきそうな軽薄なタイトルですが、内容は至って重厚。「ビッグデータのブームに乗って一山当てようぜ!」みたいな人を強烈に牽制しています。

大事なのは統計リテラシー。どんな有益なデータ群でも切り口を間違えると見当違いの解析結果が出てしまうので、種々の統計手法の特性を理解して適切な解析をやんなきゃダメだぞ、と。

まぁ、統計と言うか解析はエクセルでデータを散布図にプロットして近似曲線を引くぐらいしか知らない自分なので、イマイチ本書の内容を汲み取りきれない所があって、なんとも無難な感想しか出てこないのがナンですが。
ただ、実験で10回中10回成功しないと存在を認められなかった時代から、誤差を受け入れて適切に解析することによって、社会とか教育とか経済とか”同じ条件なら同じ結果が得られるわけではない”分野に科学の領域を拡げたという意味で統計学は最強であるというのはわかりました。

示唆に富んだ良書でした(定型文)。マストバイ。

(7/11読了)

8秒で幸せをつかむ「片づけ力」


8秒で幸せをつかむ「片づけ力」
一昨年部屋を大片付けして、なんとか生活できるレベルにしました。友達が来ると皆「片付いている」と言ってくれるのですが、個人的には割と雑然とした感じの部屋なので、何とかしたいと常々考えています。インテリアの選び方の本を眺めたりしてるんですが、何とも冴えない今日この頃です。
さて本日ご紹介するのは、幸せを掴むと題した「片づけ力」という一冊。
以下思った所をぼつぼつ。

“収納グッズを買いに行っても、その収納グッズは少し経てばゴミになってしまいます”(p138)

片付ける対象の分類わけが終わり、収納場所が決まった時点で収納グッズを買ってはならないという話。
そういえば自分も片付ける気持ちだけで天井まで届くメタルラックを購入して後悔したことがあります。(未だに使ってますが)
ここはグッと堪えて、牛乳パックを工作したり、靴の空き箱を利用して一時的な収納を作るのがいいそうです。その収納方法が定着したらちゃんとした収納グッズを購入するっと。

“見せる収納にするか、隠す収納にするか決めていきます”(p143)
“飾る量は(棚の)60%までに抑えます “(p144)

物を収納するにも2種類あって、見えるところに収納するのと、クローゼット等の見えない所に収納するのの2つがあるそうです。
一応本棚は”見れる”レベルには整理していたので無意識に実践していたとも言えますが、クローゼットは完全に物置と化しています。収納ではなく物置(死
見えるレベルにしたと思っていた本棚も、そろそろ収納率95%に迫ってきました。イマイチすっきりしないのはこの辺が理由かなぁ。
クローゼット内の片付けと本棚の軽量化を考えましょう・・・。
単なるお掃除メンタル本かと思いきや、意外と示唆に富む良書でした。
さてクローゼット内から何とかするか・・・。

科学的とはどういう意味か

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

「すべてがFになる」等のいわゆる理系ミステリで有名な森博嗣のエッセイ。

科学万能の時代である現代において科学を忌避し、「科学的な」話に耳を借そうとせずにひたすら単純化された情報を求める輩がいる。
こういった思考停止状態はどこからくるのか、そもそも「科学的」とはどういう概念なのかを説明する一冊。

科学に対する嫌悪というより”自分にはどうせわからない”というあきらめは、そもそもが思考停止から来ているので、自己の意識改革でなんとかするしかないんだけど、そういう態度がまかり通るのには、集団の空気を読んで周囲と同調したいという心理が働いている面があるという。
周りに合わせて自分の感情を殺していると、だんだんと自分で考える事をしなくなるというわけだ。
「科学的」ということを一言で言うと「みんなで築きあげていく」という事だそうだ。
みんなで公平に情報を吟味していくには、意味のブレの少ない数式を使う事になるのは当たり前。
世界の英知を集めて、皆が納得いく結論を得られるまで確定を避けるという意外と謙虚な業界だったみたいです。
昨年7月頃、「ヒッグス粒子発見か?」と言う報道がなされ、量子論の話題で盛り上がりましたが、結局発見された粒子がヒッグス粒子なのかはどうかは、今も情報を収集しているんだそうです。
実に慎重です。
最近では津波の高さ規定云々や放射線量の規制云々といった命に関わる”数字”の話が多く出ています。
数字の意味や定義を理解して、与えられた情報から最適解をはじき出すことの積み重ねが、大きな危険を回避する鍵になるんだそうです(実際命に関わるのか否かも含めて)。