アルジャーノンに花束を


アルジャーノンに花束を (Amazon)

・あらすじ
精神遅滞の青年チャーリーは脳手術を受け、天才に生まれ変わる。
高い知能を獲得し、学ぶ喜び、知識を統合して新しい知識を生む喜びを知る。
一方で手術前は気付かなかった自分への侮蔑、他者との軋轢に苦しむ。
そんなある日、チャーリーと同じ脳手術を受けたネズミのアルジャーノンに異変が起こる。

・感想
知的障碍者と社会の関わり云々みたいな堅苦しい内容をイメージしていたので、ずっと敬遠していたんだが実際そんな事はなかった。
何というか健常者と障碍者が云々という話を抜きにして、人間という祖体の奥底にある得体の知れない大きな物を描こうとしているんじゃないかと思った。
深読みしすぎ、と言われるかもしれないけど、チャーリーという一人物の中になんかそういうのがあるんじゃないかと感じた。

まぁ、あと何回か読まないといけないな;

六花の勇者 (2)

六花の勇者 2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

全人類に仇をなす”魔神”復活を前に集結した”六花の勇者”。
そこに立ちはだかる”7人目”の存在と敵の罠!

剣と魔法の世界で繰り広げられる、「この中に一人敵がいる!」系推理。
第一巻は犯人探しがメインでしたが、今回はさらに敵勢力”凶魔”による妨害工作で、勇者達は死地に追いやられます。

謀略を駆使する敵モンスターとの駆け引きが見所です。

関連:六花の勇者(1)

プロットすごい 「人類は衰退しました 2」

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大人気放映中のアニメ「人類は衰退しました」の原作第二巻。
「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」
の2作が掲載されています。

1巻は世界観の説明と、妖精さん達のデタラメさ加減を表現するのに紙面が取られていましたが、
2巻は練りこまれた複雑なプロットが楽しめます。
だらっと読んでると展開が把握できなくなるので注意が必要です!

「じかんかつようじゅつ」は変則的なタイムリープモノなのですが、
意外な時間軸の動きと、複線の回収が見事でした。
ただ、話のポイントとしては、助手さんの正体がよくわからない所にミソがあるので、アニメ未見の方は原作を読んでからご覧になることをオススメします。

「じゃくにくきょうしょく」は”ものの見方”に関する鋭い考察。
視点が変わることによる認識の変化だけじゃなくって、認識する側の変化に着目した所がおもしろいです。
某掲示板が言うにはとりわけ評判のエピソードらしいです。
納得。

シリーズものはザっと読む主義!(※例外多数)
なのでなるべく早く3巻読みたいです。

メルヘンと毒気のはざま 「人類は衰退しました 1」

人類は衰退しました 1 (Amazon)

現在絶賛放映中のアニメ「人類は衰退しました」の原作。
アニメの方はニコニコ動画 で視聴可ですので、是非ご覧になっていただきたいです。

何らかの理由で人類の文明が衰退し、昔話等に伝わる”妖精さん”達が地球を支配した世界が舞台。
妖精さんっても、フェアリーというよりコロボックルと小人さんを足して2で割った感じ。
デタラメな科学(?)技術を持っていて、一夜にしてメトロポリスを築いたかと思うと翌日にはサバンナに改築されているといった具合です。

主人公は妖精さん達と人類との折衝を生業としています。
主人公が妖精さん達にちょっかいを出した結果、振り回されるというのが筋です。

妖精さんも可愛らしいのですが、何といっても主人公がイイ性格していて良いです。
所々にブラックなジョークというか腹黒い本性がチラホラして楽しいですね。

アニメ第2話のサブカルチャーの話を読みたかったのですが、第六巻かー。
まぁじっくりいきましょう。

坂の上の雲 (5)

坂の上の雲〈5〉 (Amazon)
小説・日露戦争。
ついに旅順が陥落。
次なる舞台は奉天とアフリカ沿岸。
好古お兄ちゃん、もとい日本騎兵団とバルチック艦隊の出番です。

戦争は相手のある動的なものであり、極端に言えば味方の欠陥と敵の欠陥の突合せでこねあがってゆくものである (後略)

ロシア軍は官僚的な仕官ばかりで様々な機能不全を起こしていて、そこを突いて日本がかろうじて勝利を収めたわけですが、
日本軍も陸海問わずある程度の機能不全というか怠慢みたいな所があったというのが意外でした。
これも日本海海戦の圧勝ばかりがクローズアップされている弊害でしょうか。

残す所、ヤマ場は奉天会戦と日本海海戦となってきました。
ザクザク読んでいきたいです。