暗黒神話大系 クトゥルー(8)

暗黒神話大系 クトゥルー〈8〉(Amazon)

生みの親たるラヴクラフトを含む、多くの作家達の手で織り成される”クトゥルフ神話”。
今までラヴクラフト全集を読んできましたが、他の作家の作品も読んでみたいな、
というのと、”忌まわしき双子”、ロイガーとツァールが登場する「潜伏するもの」が読みたくて、暗黒神話大系 クトゥルーの第八巻から読み始めました。
収録作品は以下の通り。

屋根裏部屋の影   byラヴクラフト&ダーレス
侵入者   byヘンリー・カットナー
屋根の上に   byロバート・E・ハワード
電気処刑器   byアドルフェ・デ・カストロ
潜伏するもの   byダーレス&スコラー
名もなき末裔   byクラーク・アシュトン・スミス
インスマウスを覆う影   byH・P・ラヴクラフト

「インスマウス」はラヴクラフト全集第一巻に掲載されていたので省略。
なのですが、正直ラブクラフト作品に比べると、どれも微妙。
「潜伏するもの」も、あらすじ追ってるだけのような書き味で。
ちょっと物足りない。

読みにくい読みにくいと言っていた、あの這いずり回る冒涜的で名状し難い形容詞軍が実は作品に欠かせないエッセンスだったんだなぁ。

関連
ラヴクラフト全集 (3) (H・P・ラヴクラフト 2011/5/15)
ラヴクラフト全集 (4) (H.P.ラヴクラフト 2012/05/17)
ラヴクラフト全集 (5) (H.P.ラヴクラフト 2012/06/07)
這いよれ!ニャル子さん (7) (逢空 万太 2011/10/30)
這いよれ!ニャル子さん (8) (逢空万太 2012/1/15)
這いよれ!ニャル子さん (9) (逢空 万太 2012/05/15)

坂の上の雲 (4)

坂の上の雲〈4〉 (Amazon)

激化する日露戦争第四巻!
旅順が不憫で読んでて辛い!!

日本海海戦の勝利が鮮やか過ぎて旅順の血の海や満州での死闘に言及される事ってあんまり無いですよね。
やっぱり教科書の知識だけで歴史わかった気になってちゃダメだわ。

坂の上の雲に限った事ではないのですが、通史というか色んな時代を比較しているのは面白いですね。
今回は旧日本軍と織田信長の比較が出てきました。
日露時の勝ちパターンに囚われて敗北した旧日本軍に対し織田信長は桶狭間にて奇襲攻撃で成功を収めたにも関わらず、その後は正攻法で勝ってきた所が偉大だった、とありました。
なるほど。

まぁ203高地が落ちてからも長いので次巻あたりで旅順が終わると信じて読み進めますかね・・・。

関連
坂の上の雲 ① (司馬 遼太郎 2012/03/14)
坂の上の雲 ② (司馬 遼太郎 2012/04/27)
坂の上の雲 ③ (司馬遼太郎 2012/05/03)

ラヴクラフト全集 (5)

ラヴクラフト全集〈5〉 (Amazon)

読み終わりました。
ニャル子さんでおなじみ、ラヴクラフト御大の創元推理版全集の第五弾。
いよいよクトゥルフ神話っぽい話が続々出てきました。

今回は収録作品を一言ずつ紹介っ
ネタバレ注意です!

・「神殿」
漂流したドイツ軍の潜水艦が海底で異様な遺跡を発見する
→人のSAN値が下がるってこういう事態か・・・。

・「ナイアルラトホテップ」
大激変が起こったある都市にナイアルラトホテップと名乗る男が現れ、人々を導く。
→ご存知ニャル様がタイトルの一本。短編で、言ってる事も断片的なのでよく分からないのですが、人々を狂気の深淵に誘おうとする一途な姿勢は正に這いよる混沌。

・「魔犬」
墓荒らし二人組みが、墓から盗んだ魔よけの翡翠を狙う名状しがたい何者かに狙われる。
→面白い。呪いのアイテムさっさと捨てろよ!と思うけど、カタルシスに向かう過程が面白い。

・「魔宴」
古代より脈々と受け継がれた儀式に参加した主人公が目撃した物とは!?
→あー、やっぱり生きてはいないんだ!

・「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」
医師のウェストは遺体を蘇生させる実験に没頭し、常に新鮮な死体を探し求める。
→今までのラヴクラフト作品の中でダントツのキモさ。しかしラストが百鬼夜行というか妖怪大運動会で拍子抜け。

・「レッド・フックの恐怖」
精神を病んだ元刑事が危険な街レッド・フックで見たものとは?
→19世紀終盤のアメリカのダウンタウンと奇妙な教団、不気味な儀式は不思議とマッチする気がする。

・「魔女の家の夢」
魔女が住んでいたという部屋に下宿した学生が夢の中で宇宙の深淵に導かれる。
→夢の中の狂気が徐々に現実に現れてくる過程がゾクゾク面白。

・「ダニッチの怪」
ダニッチ村に生まれたウィルバー・ウェイトリイは驚異的な速度で成長し、魔術の研究に没頭する。ネクロノミコンを求める彼が死んだとき、ダニッチ村を壊滅に追い込む事件が始まった。
→クトゥルフ神話の中でも有名な一本。邪神の血を引く魔術師の暗躍が面白。後半は怪獣映画に。

・「『ネクロノミコン』の歴史」
→公式クトゥルフ神話設定。

と、今回は深淵を追及しすぎてSAN値が低くなってしまった連中の話が多かったです。
邪神に深入りは禁物ですね!
アザトホート様がみてる。

機動戦士ガンダムUC(8) 宇宙と惑星と

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いよいよアニメ版epsode5「黒いユニコーン」のイベント上映」が始まったガンダムUC。
自分もこれから新都心のMOVIXに観にいこうと思います。

物語はいよいよ大詰め。
ついにラプラスの箱の所在が明らかになったネェル・アーガマでまさかの展開が。

人は変われるし変わっていける、可能性という神の物語がクライマックスに向けて突き進んで行きます。
人が人たる優しさを示す旅はどんな結末を迎えるのか。
残す所あと2冊。
楽しみです。

ラヴクラフト全集 (4)

ラヴクラフト全集 (4) (Amazon)

お久しぶりのラヴクラフト全集。

収録作は

・宇宙からの色
・眠りの壁の彼方
・故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実
・冷気
・彼方より
・ピックマンのモデル
・狂気の山脈にて

の7作。
巻末にラブクラフト自身による「怪奇小説の書き方」みたいなのが載っています。

第四巻はラヴクラフト作品の中でも科学的志向の強い物が集められています。
「宇宙からの色」なんかは放射性物質や化学物質で汚染された大地を想像せずにはいられないし、「狂気の山脈にて」では当時の最新仮説であった大陸移動説や南極大陸の地理について大いに言及したりとなんかすごい。

ただ、「狂気の山脈にて」はひたすら設定を聞かされたみたいで、読んでいてすごい疲れました。
しかも長い。
自分としては「宇宙からの色」が面白かったです。
クライマックスも劇的だし、だんだんと怪異が進行してくるのがゾクゾクくる。 
ニャル子さんの元ネタと言うか、クトゥルフ神話の体系に入ってくる話は少ないです。
「ピックマンのモデル」に出てくる”屍食鬼”と「狂気の山脈」の”古きもの”ぐらいでしょうか。
 ニャル子さん関連でラブクラフト話でヒット数が稼げそうなうちにラブクラフト全集を読み進めたいなと思います。