ラヴクラフト全集 (4)

ラヴクラフト全集 (4) (Amazon)

お久しぶりのラヴクラフト全集。

収録作は

・宇宙からの色
・眠りの壁の彼方
・故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実
・冷気
・彼方より
・ピックマンのモデル
・狂気の山脈にて

の7作。
巻末にラブクラフト自身による「怪奇小説の書き方」みたいなのが載っています。

第四巻はラヴクラフト作品の中でも科学的志向の強い物が集められています。
「宇宙からの色」なんかは放射性物質や化学物質で汚染された大地を想像せずにはいられないし、「狂気の山脈にて」では当時の最新仮説であった大陸移動説や南極大陸の地理について大いに言及したりとなんかすごい。

ただ、「狂気の山脈にて」はひたすら設定を聞かされたみたいで、読んでいてすごい疲れました。
しかも長い。
自分としては「宇宙からの色」が面白かったです。
クライマックスも劇的だし、だんだんと怪異が進行してくるのがゾクゾクくる。 
ニャル子さんの元ネタと言うか、クトゥルフ神話の体系に入ってくる話は少ないです。
「ピックマンのモデル」に出てくる”屍食鬼”と「狂気の山脈」の”古きもの”ぐらいでしょうか。
 ニャル子さん関連でラブクラフト話でヒット数が稼げそうなうちにラブクラフト全集を読み進めたいなと思います。 

潮騒

潮騒 (Amazon)

伊勢湾に浮かぶ歌島の漁師・新治は島に越してきた少女・初枝と出会う。
出会う・・・が?

読んでなかった文豪の定番を読もうシリーズ(今考えた!)
前に読んだ三島作品が確か金閣寺でして、この潮騒の場合いつ新治と初枝が心中するハメになるのかとヤキモキ読んでましたが、なーんて事はない。
カラっと明るい島の人達の気持ちいい心象が、読んでて心地よいぐらいでした。
三島ってこんなだっけ?

人間失格

人間失格 (集英社文庫)

太宰治の「人間失格」 読みました。
走れメロスと並んで、文豪太宰の代表作とされる本作ですが、今回が初読み。
うん、まぁ、あんまり若い頃に読まないで正解だったかなぁ。 
これほど読んでいて鬱々としてくる本はそうそう無いですよ。
道化を演じるならやり遂げればよかったのに・・・。
途中までうまく行ってたんだし。
何が悪かったのか。やっぱ堀木か。



最後は人間椅子の「人間失格」をお楽しみください。

チボー家の人々 (1) 灰色のノート

舞台は1920年フランス。
同じカトリック学校(中学)に通うジャック・チボーとダニエル・ファンタナンは灰色のノートに自作の詩を書いたりして遊んでいたのだが、内容がちょっと破廉恥だった。
ウホッ
それを教師に読まれ、二人は家出する・・・。
全13巻の第一巻で、物語の全容が知れないのですが、代議士で青少年育成云々に熱を上げるジャックの父親(チボー氏)と、父の独善的なやり方に反発するジャックの対立が軸になるのかな?
「半分の月がのぼる空」の第三巻で引用されているらしいとの事なので読みましたが、ちっと興味がわいてきました。
そのうち2巻に手を出したいです。

銀河鉄道の夜

言わずと知れた名作。
自分は小学生の時に一回読んだのですが、「半分の月がのぼる空」第二話の中で言及があったので再読。
”ほんとうのさいわい”とか”ほんとうの神様”と言った意味深な言葉が出てきて様々な解釈ができると思うんですが、自分は”鳥捕り”の存在が解釈不能。
一体何を象徴しているんだろう・・・。
この本には幼い兄妹が狐の幻灯会に招待される「雪渡り」と「雨ニモマケズ」を収録。
雪渡りは塾の国語の問題で読んだ覚えがある・・・。
これで280円なので良いですね。