【図説】地図とあらすじでわかる!万葉集

図説 地図とあらすじでわかる!万葉集 (Amazon)

日本で現存する最古の歌集「万葉集」を、歌の舞台となった地の地図や図表でわかりやすく解説した一冊。

「地図とあらすじでわかる!」シリーズの古事記が人気だそうで、図書館で探してみたのですが、貸し出し中でした。
そんなわけで代わりに手に取ったのがこちら、万葉集です。

自分は学生の時分古典文学は苦手だったのですが、豊富な写真や地図と共に代表的な歌や歌人を説明してくれて、分かりやすかったです。
もちろん掲載した全歌に現代語訳付。

万葉集の歌は古今和歌集とか百人一首の歌のように、掛詞があんまりトリッキーじゃないのでまだ読める感じですね。
素朴な感じがいいと思います。

ちなみに、井沢元彦さんの「逆説の日本史」奈良時代編でも万葉集が解説されているんですが、ちょっと普通じゃない視点で面白いですよ。
近いうちに再読しょうと思います。

坂の上の雲 (4)

坂の上の雲〈4〉 (Amazon)

激化する日露戦争第四巻!
旅順が不憫で読んでて辛い!!

日本海海戦の勝利が鮮やか過ぎて旅順の血の海や満州での死闘に言及される事ってあんまり無いですよね。
やっぱり教科書の知識だけで歴史わかった気になってちゃダメだわ。

坂の上の雲に限った事ではないのですが、通史というか色んな時代を比較しているのは面白いですね。
今回は旧日本軍と織田信長の比較が出てきました。
日露時の勝ちパターンに囚われて敗北した旧日本軍に対し織田信長は桶狭間にて奇襲攻撃で成功を収めたにも関わらず、その後は正攻法で勝ってきた所が偉大だった、とありました。
なるほど。

まぁ203高地が落ちてからも長いので次巻あたりで旅順が終わると信じて読み進めますかね・・・。

関連
坂の上の雲 ① (司馬 遼太郎 2012/03/14)
坂の上の雲 ② (司馬 遼太郎 2012/04/27)
坂の上の雲 ③ (司馬遼太郎 2012/05/03)

坂の上の雲 (3)

坂の上の雲〈3〉 (Amazon)

司馬遼太郎が描く日露戦争巨編の第三巻。

今回は旅順要塞攻撃前ぐらいまで。
正岡子規が死んで、日露戦争が開戦して、広瀬さんが戦死します。
これで3/8を消化した計算になるんですが、ドラマで言うと第三部に入った所。
つまり、この後延々とあの旅順攻撃が描かれるんですかね。
うわー鬱だ。

Wikipediaの坂の上の雲の項によると、松山にある”坂の上の雲ミュージアム”を作る際、

特定の政治、思想、信条を極端に賛美しないという意図で建設されている。

との事で、本文でも

後世の人が幻想して、侵さず侵されず人類の平和のみを国是とする国こそ当時のあるべき姿とし、その幻想国家の架空の基準を当時の国家と国際社会に割り込ませて国家のありかたの正邪を決めると言うのは、歴史は粘土細工の粘土にすぎなくなる

 という語りがありました。
偏向しないで物事を見つめるのは難しいですが、史観ありきの歴史は何ですよね。

まぁ左翼の悪口はこれぐらいにしてGWに読もうと思って積み上げた本があんまり消化できてないので、ガリガリ読もうと思います。

関連
坂の上の雲 ①
坂の上の雲 ②

坂の上の雲 (2)

坂の上の雲〈2〉 (Amazon)

愛媛は松山出身の軍人・秋山兄弟と、俳人・正岡子規を通じて司馬遼太郎が描く日露戦争物語の第二巻。
日清戦争勃発から真之の渡米、日露戦争開戦前まで。
ドラマ版で言うと第一部の終わりぐらいまでですね。

真之が連合艦隊の作戦参謀になる前の勉強期にあたるわけですが、”秋山式勉強法”というのがなかなかスゴイです。

「(前略)得た知識を、それを貯えるというより不要なものを洗い流し、必要なものだけを貯えるという作用を持ち、事あればそれが自然にでてくるというような(以下略)」

「自分で自分なりの原理原則をうちたてることです。自分で立てた原理原則のみが応用のきくものであり(以下略)」

今で言う多読にあたるんでしょうか。
自分はどうしても一冊を読み込んでしまって、多読ができないタイプなのですが。

何にしても、肝心なのは”自分の原理原則をうちたてる”という点にあると思います。
原理原則をうちたてるには、まずは自分を知る事が大事なのかなぁ、とおもいます。
なんとなく。

やっぱり坂雲はおもしろいですね。
サクサク読みたいです。 

関連:坂の上の雲 ①

日本辺境論

日本辺境論 (新潮新書)

日本は”中華圏”から見て辺境であり、日本人は今でも「なんとなく自分達は世界水準より劣っている」と感じる民族であると言う”日本の辺境性”を解説した一冊。  
作者曰く、日本人が辺境人であると言う日本文化論は特に新しい話ではないそうです。
本書はその焼き直しにすぎないらしいのですが、武道家の視点で、弟子入りといった日本古来の教育論や、主観的な時間の流れをコントロールするという”機”の概念等、独特な話が面白いです。  
努力と報酬の相関を否定する考え方(修行の一環でトイレ掃除とか) なんかは、スティーブ・ジョブスの点と線を結ぶ勉強の話に通じる所があると思いました

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版

そう言えばジョブスは東洋思想に傾倒している面もあったとか聞きましたね。
でもジョブスはインドか。
インドは辺境ではないな…  
自分の場合、ギターを習って長いのですが、イマイチぱっと開花しないのは、先生から何でも取り入れてやろう!という意気込みが無かったのが原因じゃないかと思いました…
がんばろう。