眠れなくなる宇宙のはなし

人類の、宇宙に関する考察の歴史をまとめた一冊。
世界は3匹の象の上に乗っていて、その下に巨大な亀がいて、
さらにその下に自らの尻尾を咥えた蛇がいるという、古代インドの世界観から、
「世界は10次元空間に漂う薄い膜のような存在」という”ブレーン宇宙論”まで網羅。
10次元空間云々の”ブレーン宇宙論”と、その基礎になる”超ひも理論”については、
振動する弦で全部の素粒子ができているという話を聞きかじっただけだったので、なかなか興味深かったです。
ちょっと詳しい本を読んでみたいと思います。
前に紹介した人類が生まれるための12の偶然宇宙は何でできているのかの内容とリンクするところが合って、それぞれの話を統合すると大まかな現代宇宙論が頭に入る気がします。

宇宙のかけら

昨日「宇宙は何でできているのか」でアタマがパンクしたので、超入門篇、宇宙論の絵本を読みました!
以前読んだ時は分かりやすくて良いな、と思ったのですが、今回は何だか物足りない・・・。
物足りないのですが、恒星内での核融合によって生じた元素が超新星爆発によって宇宙に撒き散らされて、地球や我々の体を構成している素材になっているという下りは非常に分かりやすく書かれています。
タイトルの「宇宙のかけら」とはコレの事でしょう。
宇宙論に関する話としては、以前紹介した人類が生まれるための12の偶然と昨日紹介した宇宙は何でできているのか、そして「宇宙のかけら」と併せて読むと、かなり理解が深まると思います。

宇宙は何でできているのか

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宇宙キター!な本かと思いきや、微小な素粒子に関する本でした。
しかしタイトルに誤りは無いです。
序章で”ウロボロスの輪”と表現されるように、宇宙の成り立ちと素粒子の種類や働きは表裏一体であるからです。
この手の量子物理の入門書は何冊か読んでいるのですが、2008年にノーベル物理学賞を獲った小林誠、益川敏英両先生の”小林・益川理論”の下りに入るとちょっと理解が追いつかなくなります・・・
CP対称性の破れ・・・

とりあえず本書を読んで、CP対称性の破れが、今の宇宙に反物質が無い状態になっていることの完全な説明ではないというのは理解しました。
今まで誤解してました。

全5章中最後の2章が意味プーなので、しばらくしたら再読したいです。

今さら聞けない科学の常識2


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先日紹介した「今さら~」の続編。

朝日新聞日曜版で連載されていたコーナーの書籍化。

日曜版とか子供向け新聞での政治とか科学とかのザックリ説明は視野が狭く、新聞社の偏向具合がよく出てたりするんですが、この本は割とフラットかな。
朝日という事でアサヒられちゃってるんじゃないかと身構えて読んでた所もあるかもしれませんが・・・。

話題のiPS細胞のiは、本来大文字でいいのだけど、iPodの”i”が小文字なのを意識してiPS細胞なんだとか。

あと、ビールに含まれていて、痛風の原因となる”プリン体”。
これは実は食品に普く含まれているらしい。
ただ、アルコールと一緒に摂取するとプリン体が尿酸に変化した時に体外に排出するとき邪魔をするらしい。

前作も楽しませてもらったけど、朝日新聞日曜版の消滅で、もう続編は出ないらしい。
惜しいぃぃ

人類が生まれるための12の偶然

宇宙創成の話から始まり、太陽系,地球,生物と
自分の好きなジャンルの話がテンコ盛り。

これは自然科学好きな人全員にお勧めしたい!
最後のほうに書かれてましたが、
今や人類は万物の霊長を気取ってるけど、
地球から見たら、人類なんて
一時生態系の頂点に君臨した数多の生き物の中の
一つにすぎないのだぞ、と。
エコというのは人類が生きやすい環境を守るという
エゴなのだなぁ、としみじみ思いました。