会社人生で必要な知識はすべてマグロ船で学んだ


会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

マグロの冷蔵保管技術を研究していた筆者の元に突然「マグロ船にのれ!」という辞令が。
一度出港すると数ヶ月間は帰港できない閉鎖空間で、気さくな乗組員との交流を通じて、ネガティブだった筆者が色々と学んでゆく、自己啓発本。

いわゆるライフハックとしては目新しい所は皆無で、マグロ船に乗るより読書してた方が・・・
という気がしないでも。
さらに言わせてもらうと、この本の最大の欠陥は、読んでいてマグロ船の空気が伝わってこない所です。
先日読んだ「白鯨(上)」は当時の漁師街の雰囲気や、大海原にて腕一本で生きていく漁師の篤い信仰心といった”空気”にあふれてました。
まぁ古典の名作と比較されると困るし、そもそも文学のつもりで書かれていないのかもですが、決定的な筆力の拙さが鼻につきました。

「会社の会議活性化のための研修を云々」する会社の代表さんとなると、著作が”マグロ船ルポルタージュ”だとセルフブランディング的にはNGだったのでしょうかね。

辛口なレビューになってしましましたが、会社の社長から薦められたので読んだので、何かしらコメントしないとマズそうなのですが・・・
さて、なんと報告すればいいんだか。

帯ェェェ・・・

白鯨 (上)


白鯨 (上) (岩波文庫)

2013年一発目はアメリカの文豪メルヴィルの白鯨から。

19世紀半ば、捕鯨業が盛んだった頃の海を舞台に”モービィ・ディック”と呼ばれる白いマッコウクジラを追う男たちの物語。

上巻は、やっと捕鯨船”ピークオッド号”が出航して、しばらくした所まで。
有名な
「白鯨を一番に見つけた者には、マストに打ち付けた金貨を与える!」
の下りは出て来ましたが、肝心の白鯨はまだ出ない。
ここ数年日本の調査捕鯨船が某団体から攻撃を受けているという問題もあって、捕鯨全盛期はどんな感じだったのか、というのを知りたくて読み始めたのですが、その辺りは次巻以降みたいです。

先日、NHKが生きたダイオウイカの撮影に成功し、今週末のNHKスペシャルで映像を公開するということで、今から楽しみにしているのですが。
ダイオウイカの天敵といえばマッコウクジラ。
なんだか良いタイミングで「白鯨」を読み始めたんじゃないかな、と思っています。

2012年振り返り

あけましておめでとうございます。
遅ればせながら、新年のご挨拶を申しあげます。

っと!
気がついたら松が取れてしまいました。
本年一冊目の紹介をすべく現在全力を挙げて読んでいる所なんですが、その前に昨年の総括をば。

昨年読んだ本の数
・物語 34冊
・教養 23冊
合計58冊。
2011年も58冊。

よく読んだ作家ベスト3
1位 司馬遼太郎 (8冊 「坂の上の雲」)
2位 夏海公司 (4冊 「なれる!SE」)
2位 田中ロミオ (4冊 「人類は衰退しました」等)

ガンダムUCけっこう読んだかと思いましたが、2冊に留まりました。

ライトノベル率 29.3%(17/58)
1/4以上がライトノベルという事に。
物語に限ると半数がライトノベル。
これも意外。
よく読んでいるのもありますが、一冊わりと早く読めるというのもあるかもです。
シリーズものというのも。

その他
教養モノは、音楽が趣味な割りに音楽系の本はあんまり読んでないですね。
ぼくらが作ったギターの名器」ぐらいなものですか。
カメラ関係は2冊。
いわゆるライフハック系が多いかと。



以上、2012年の総括でした。
解析が足りていない気もしますが、まぁ傾向がつかめたので良かったです。
今年はいわゆる古典を沢山読みたいと思います。

少女には向かない職業&電波女と青春男

 

少女には向かない職業 (創元推理文庫)
GOTHICシリーズの桜庭一樹のジュブナイル小説。
ヒロインは中学二年生13歳。
正にジュブナイル。
13歳が2人殺す。

電波女と青春男(1) (電撃文庫)
入間人間のジュブナイル小説。
ヒロインは、腰から上を布団でぐるぐる巻きにしていて、自称宇宙人で、地球は狙われているらしいと言う何とも電波的な女(しかも引きこもりNEET)。
青春を謳歌しようと都会に出てきた主人公とはある意味相反する存在なわけですが、

神秘とは希望であるべきだった。まだ暴かれていない深海の領域に思いを馳せて俺が年甲斐も無くはしゃぎ、未知の生物を夢想するように。前へ前へと、押しやってくれる存在であるべきだった。ニンゲンだろうと、スカイフィッシュだろうと、グレイだろうと。

といって社会復帰に協力し始めます。

地の文が主人公のつぶやきになっていて非っ常に読みづらいのですが、上に引用した一文をもってしてなかなか大した小説だと思います。
でも正直アニメ観ていなかったら読む気にもならなかったかも、とは思う。


と、今年最後の更新になりました。
来年も奇妙なスタラクタイトをよろしくお願いします。

坂の上の雲 (6)・(7)・(8) 完

  

坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)
坂の上の雲〈7〉 (文春文庫)
坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)

小説日露戦争。
読み終わりました!

第六巻は奉天会戦前の黒溝台会戦、バルチック艦隊、及び明石元二郎大佐の革命支援活動について。
第七巻は奉天会戦。
第八巻はいよいよ日本海海戦です!

これにて日露戦争の全貌を読みきったことになるのですが、想像以上に苦しい戦闘だったんだなぁと。
完全勝利と言われている日本海海戦も一歩間違うと全滅の危険があったわけだし、判断ミスからバルチック艦隊を見失いそうになったりと、正に薄氷を踏む闘いだったわけです。
陸軍の闘いも殆ど、”攻撃に耐え切った”為結果的に勝利したわけですし。
世の中意外と知られていないことばっかりですねー。
当時の日本人にしても、勝った負けたの要因分析をロクにしないまま、ずっと戦勝ムードで20年過ごしてしまって、後に太平洋戦争敗戦による帝国軍の消滅に至るわけです。

「連合艦隊解散ノ辞」の最後の一説はこうなっています。

神明はただ平素の鍛錬につとめ、戦わずしてすでに勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安ずる者よりただちにこれをうばふ。古人曰く、勝って兜の緒をしめよ、と。

勝って兜の緒をしめよ。
実に意味深長。

当初、戦争活劇を読みたかったのが、気がついたら何かとんでもない物を読んでいました。
何年かしたらまた読みたいです。

坂の上の雲 一覧
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻