電波女と青春男 (2)

電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

青春を求めて都会に出てきた主人公が、電波女の従姉妹や”大供(おおども)”な叔母、個性的なクラスメイトとワイワイガヤガヤする、「電波女と青春男」の第二巻。

読みづらいモノローグがやたら長いので、食傷気味になって敬遠している人がいっぱいいるんじゃないかなぁと思いますが、基本的に前向きでいい話。
第一巻の時の話ですが、ヒロインが布団で簀巻きになって、「もふもふ」としゃべるのをそのまま文章化されてたりして面くらいましたが、最終的に読んでてほっこりする感じです。
つまりおもしろいんだよっ!

今の子供はペットボトルロケット作りをやるようで。
理科か図工か分からないですが、自分の頃の自分の学区ではそういうの無かったですねー。

ちょっとずつ前向きになっている電波女がどういう方向に向かうのか。
楽しみなので、早めに3巻に手を出したいと思います。

のぼうの城

のぼうの城 (小学館)

昨年観た映画「のぼうの城」の原作読みました。
戦国の世を生きる男達の生き様を描いた”青春小説”。
歴史モノと捉えると、登場人物の口調が今風だったり、含蓄ある人生訓が載っているわけでもなかったりして、少し物足りない感じがしますが、そこはそこ。
強大な力に圧迫されつつも、兵(つわもの)としての生を謳歌する漢の姿にシビレました。
ゆえに、「のぼうの城」は歴史小説ではなく、青春小説なんだよっ!と言っておきたい!
ただしツワモノどもの大半はアラフォーだったりするんですが。

映画は、原作をいい感じにまとめた後、所々を膨らませている感じで、なかなか神脚本だったんだなとわかりました。
公開終わる前にもう一回観にいきたいですね。

会社人生で必要な知識はすべてマグロ船で学んだ


会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

マグロの冷蔵保管技術を研究していた筆者の元に突然「マグロ船にのれ!」という辞令が。
一度出港すると数ヶ月間は帰港できない閉鎖空間で、気さくな乗組員との交流を通じて、ネガティブだった筆者が色々と学んでゆく、自己啓発本。

いわゆるライフハックとしては目新しい所は皆無で、マグロ船に乗るより読書してた方が・・・
という気がしないでも。
さらに言わせてもらうと、この本の最大の欠陥は、読んでいてマグロ船の空気が伝わってこない所です。
先日読んだ「白鯨(上)」は当時の漁師街の雰囲気や、大海原にて腕一本で生きていく漁師の篤い信仰心といった”空気”にあふれてました。
まぁ古典の名作と比較されると困るし、そもそも文学のつもりで書かれていないのかもですが、決定的な筆力の拙さが鼻につきました。

「会社の会議活性化のための研修を云々」する会社の代表さんとなると、著作が”マグロ船ルポルタージュ”だとセルフブランディング的にはNGだったのでしょうかね。

辛口なレビューになってしましましたが、会社の社長から薦められたので読んだので、何かしらコメントしないとマズそうなのですが・・・
さて、なんと報告すればいいんだか。

帯ェェェ・・・

白鯨 (上)


白鯨 (上) (岩波文庫)

2013年一発目はアメリカの文豪メルヴィルの白鯨から。

19世紀半ば、捕鯨業が盛んだった頃の海を舞台に”モービィ・ディック”と呼ばれる白いマッコウクジラを追う男たちの物語。

上巻は、やっと捕鯨船”ピークオッド号”が出航して、しばらくした所まで。
有名な
「白鯨を一番に見つけた者には、マストに打ち付けた金貨を与える!」
の下りは出て来ましたが、肝心の白鯨はまだ出ない。
ここ数年日本の調査捕鯨船が某団体から攻撃を受けているという問題もあって、捕鯨全盛期はどんな感じだったのか、というのを知りたくて読み始めたのですが、その辺りは次巻以降みたいです。

先日、NHKが生きたダイオウイカの撮影に成功し、今週末のNHKスペシャルで映像を公開するということで、今から楽しみにしているのですが。
ダイオウイカの天敵といえばマッコウクジラ。
なんだか良いタイミングで「白鯨」を読み始めたんじゃないかな、と思っています。

少女には向かない職業&電波女と青春男

 

少女には向かない職業 (創元推理文庫)
GOTHICシリーズの桜庭一樹のジュブナイル小説。
ヒロインは中学二年生13歳。
正にジュブナイル。
13歳が2人殺す。

電波女と青春男(1) (電撃文庫)
入間人間のジュブナイル小説。
ヒロインは、腰から上を布団でぐるぐる巻きにしていて、自称宇宙人で、地球は狙われているらしいと言う何とも電波的な女(しかも引きこもりNEET)。
青春を謳歌しようと都会に出てきた主人公とはある意味相反する存在なわけですが、

神秘とは希望であるべきだった。まだ暴かれていない深海の領域に思いを馳せて俺が年甲斐も無くはしゃぎ、未知の生物を夢想するように。前へ前へと、押しやってくれる存在であるべきだった。ニンゲンだろうと、スカイフィッシュだろうと、グレイだろうと。

といって社会復帰に協力し始めます。

地の文が主人公のつぶやきになっていて非っ常に読みづらいのですが、上に引用した一文をもってしてなかなか大した小説だと思います。
でも正直アニメ観ていなかったら読む気にもならなかったかも、とは思う。


と、今年最後の更新になりました。
来年も奇妙なスタラクタイトをよろしくお願いします。