本を読む本

読んだ本をしっかり自分のモノにする読み方のススメ。
主に新書等の”教養書”の読み方が解説されています。
1940年に出版された本なのですが、目次を熟読した後、ざーっと全体に目を通して、
キーワードや論旨、用語の使い方を把握してから読み始めるスタイルは斬新だと思いました。
ただ、前に紹介した日経アソシエの読書法のように、やり方が極端なので
なかなか実行するのは難しそうなのですが、自分の”読書力レベル”を超える本に挑むときには、
本書のやり方の他に手が無いのではないかと思いました。
なんつうか、
「わかった、と言えるまで本の評価をしてはならない」
と、書かれているので、なんとレビューしようか悩みながら書きましたが、今に始まった事でなし、これからちょっとずつ改善していきましょう。

宇宙のかけら

昨日「宇宙は何でできているのか」でアタマがパンクしたので、超入門篇、宇宙論の絵本を読みました!
以前読んだ時は分かりやすくて良いな、と思ったのですが、今回は何だか物足りない・・・。
物足りないのですが、恒星内での核融合によって生じた元素が超新星爆発によって宇宙に撒き散らされて、地球や我々の体を構成している素材になっているという下りは非常に分かりやすく書かれています。
タイトルの「宇宙のかけら」とはコレの事でしょう。
宇宙論に関する話としては、以前紹介した人類が生まれるための12の偶然と昨日紹介した宇宙は何でできているのか、そして「宇宙のかけら」と併せて読むと、かなり理解が深まると思います。

宇宙は何でできているのか

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宇宙キター!な本かと思いきや、微小な素粒子に関する本でした。
しかしタイトルに誤りは無いです。
序章で”ウロボロスの輪”と表現されるように、宇宙の成り立ちと素粒子の種類や働きは表裏一体であるからです。
この手の量子物理の入門書は何冊か読んでいるのですが、2008年にノーベル物理学賞を獲った小林誠、益川敏英両先生の”小林・益川理論”の下りに入るとちょっと理解が追いつかなくなります・・・
CP対称性の破れ・・・

とりあえず本書を読んで、CP対称性の破れが、今の宇宙に反物質が無い状態になっていることの完全な説明ではないというのは理解しました。
今まで誤解してました。

全5章中最後の2章が意味プーなので、しばらくしたら再読したいです。

TPP亡国論

日本のTPP参加が現実味を帯びてきて、自分の生活への影響や身の振り方を考えないとなぁ、と思って読みました。
経済ナショナリズムの専門家である著者らしく話は経済の視点で一貫して書かれていました。
現在日本が陥っているデフレやリーマンショック前後のグローバリゼーションの構造を詳しく解説してくれていて、目からうろこが落ちっぱなしでした。
自分は構造改革や貿易自由化は善で公共事業の無駄は悪であるという幻想に囚われていたのですが、デフレ下では公共投資によって国内経済活性化し、適度な保護主義で市場を育てるのが大切だとわかりました。
保護主義が戦前の世界恐慌を起こしたというのも勘違いだとわかりました。
自分としては移民問題が一番心配なのでその詳細を知りたかったのですが。
スウェーデンでは大量移民で内戦状態に陥っていると聞きますし。
TPPに関してはもっと調べないとダメですね。
意外と2chが詳しいですが。

もっと知りたい歌川国芳

もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (Amazon)

先日読んだ「浮世絵の歴史」で歌川国芳という絵師の作品が気に入ったので、画集?解説書を図書館で借りてきました。

国芳は主に武者絵で有名なんだそうですが、西洋画の影響を受けた風景画から擬人化した動物の戯画まで幅広くこなす実力派!
タヌキが雨の中走ってる所なんかもうなんとも言えない。
だって傘代わりに自分の玉袋を伸ばして頭を覆ってるんだし!
魚類が着流しを着て刀振り回してる所はある意味クトゥルフ神話を彷彿とさせる!
文政10年頃に水滸伝が江戸で流行した際、豪傑の浮世絵を描いてブレイクしたそうです。
自分もそのうち水滸伝読んでみようかと思いました。