舟を編む

舟を編む

読みました。
本屋大賞を受賞して、今年映画化、やたら評判の良い本書ですが自分には微妙でした。

テーマは「情熱」。
そこに辞書作りとか恋愛とかふれ合いとかくっつけて膨らませたのが本作といった感じがしました。
主題は一貫していて骨はあります。

全体的に「もしドラ」に通じる物があるように感じました。

(5/16読了)

三国志 (2)(3)


三国志 (2) (吉川英治歴史時代文庫 34)

三国志(3)(吉川英治歴史時代文庫 35)
2巻は呂布絶頂篇、3巻は劉備と曹操が対立を深めて三国時代に突入する序章といった所ですかね。
勝ったり負けたり、取ったり取られたり。各雄迷ったり間違ったりとなかなか人間味に溢れてておもしろい。
負けるなら負けるで明確にフラグを立てて負けるあたりは、漢民族の理路整然としたのを好む所でかなと思った。

次巻ついに孔明登場!

(5/27,6/3読了)

妄想銀行

妄想銀行 (新潮文庫)

本朝における”ショートショートの神様”星新一のショートショート集。自宅の書棚に眠っていたので掘り起こして読んでみた。

ショートショートってその短さゆえに複線が速攻で回収される所がカタルシス。逆に複線が読めなくて最後の最後で「やられた!」となるのもまた楽しい。
本書の収録作の中で、前者は「大黒様」と「変な客」、後者は「声」と「長生き競争」かなぁ。

個人的には小説は大作主義ってか長編が好きだけど、短い中でどうまとめるか、速攻で落とすかも見所だなとわかった。

(6/6読了)

統計学が最強の学問である


統計学が最強の学問である

最近何かと話題のビッグデータ産業。ビックウェーブに乗り遅れちゃダメだぜ!みたいなノリの人が飛びつきそうな軽薄なタイトルですが、内容は至って重厚。「ビッグデータのブームに乗って一山当てようぜ!」みたいな人を強烈に牽制しています。

大事なのは統計リテラシー。どんな有益なデータ群でも切り口を間違えると見当違いの解析結果が出てしまうので、種々の統計手法の特性を理解して適切な解析をやんなきゃダメだぞ、と。

まぁ、統計と言うか解析はエクセルでデータを散布図にプロットして近似曲線を引くぐらいしか知らない自分なので、イマイチ本書の内容を汲み取りきれない所があって、なんとも無難な感想しか出てこないのがナンですが。
ただ、実験で10回中10回成功しないと存在を認められなかった時代から、誤差を受け入れて適切に解析することによって、社会とか教育とか経済とか”同じ条件なら同じ結果が得られるわけではない”分野に科学の領域を拡げたという意味で統計学は最強であるというのはわかりました。

示唆に富んだ良書でした(定型文)。マストバイ。

(7/11読了)

ルー=ガルー2 (上)


分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(上) (講談社文庫)
ノベルス版は厚くて重いので分冊文庫版で読みました。
「お・・お前がやったのか・・・?!」
みたいな所で終わったので、早く下巻に手を付けたいです。
以下、京極夏彦妖怪シリーズ「邪魅の雫」のネタバレを含みます。

久々の京極小説。前に読んだのが・・・思い出せないけど大学時代に本書の前作「ルー=ガルー 忌避すべき狼」を読んだ覚えが。
その後「邪魅の雫」・・・?「百鬼徒然袋-風」・・・?かなぁ?
いや、確か「邪魅の雫」は「百鬼徒然袋-風」の後に読んだはず。間違いない。
「邪魅の雫」は発売された時に買って読んだので、もう8年前!
8年!そりゃー忘れるわー。その頃からブログ継続してればよかったのに。

しかし「邪魅の雫」の”あの毒”が再び出てくるとは。
いや、ぜんっぜん覚えてないんだけど、アルティメット青酸カリだっけ??
”証拠も痕跡も残さない未知の毒物”っていう何ともフィクション的に作品とマッチしないアイテムが出てきて鼻白んだりしたし、なんとも後味の悪い話だったのは覚えてる。
相変わらず説教臭い文体だけど、これぞ京極夏彦というような感じ。
これよ!これを待ってたのよ!みたいに思うあなたは京極マニア。
妖怪シリーズと百鬼夜行シリーズ、巷説百物語シリーズはまた通して読みたいなぁ。
読みたいけど・・読みたいけどページ数がハンパないよ・・・。
分冊文庫版で読めるイイ時代になりました。じゃあ読むか。
下巻につづく